代表ブログ

【代表ブログ】「どうやっていいか分からない」毎日の中で。わが家がホワイトボードを囲むようになるまでの話。

【代表ブログ】「どうやっていいか分からない」毎日の中で。わが家がホワイトボードを囲むようになるまでの話。

こんにちは。株式会社SRETANHOUSE代表の「こばやん」こと、小林功基です。

スレタンハウスは、僕たち夫婦が「自分たちの子どもが学校に馴染めなかったこと」をきっかけに立ち上げた場所です。 ですが、日頃ブログやSNSで子どもたちの姿を発信していると、時々「代表のおうちだから、きっと子育ても上手にされているんでしょうね」「指導者の経験があるからドーンと構えられているんでしょう」と言われることがあります。

いやいや、全くそんなことはありません。

今でも毎日、我が家は試行錯誤の連続ですし、頭を抱えたり、子どもとぶつかったり、失敗ばかりの泥臭い日々を送っています。

今日は、代表としてではなく、「3人の男の子に振り回され、悩み抜いている一人の父親」として、我が家が今ひとつの小さなルール(ホワイトボードでの話し合い)にたどり着くまでのリアルな話を書いてみようと思います。

現在進行形で子育てや不登校に悩まれている保護者の方に、「うちも同じだよ」「ひとりじゃないよ」と届いたら嬉しいです。

1. プロサッカー指導者としての自信が、ガラガラと崩れた日

僕は20年近く、サッカー指導者としてたくさんの子どもたちと関わってきました。どう声をかければ子どもがやる気になるか、どう向き合えば心を開いてくれるか、それなりの知識も経験も引き出しもあるつもりでした。

でも、我が子の前では、その経験やテクニックなんて何一つ通用しませんでした。

長男が小学2年生の時、不登校になりました。 学校では場面緘黙(かんもく)状態になり、一言も喋れず、目が死んだようになっていく息子。 朝が来るたびに「学校に行かせるのか、休ませるのか」の戦いが始まり、無理に行かせようとしては胸がキリキリ痛む……。

息子の「学校に行くくらいなら、死んだ方がマシ」という絞り出すような叫びを聞いた時、親としての恐怖と無力感で、心が押しつぶされそうになりました。

その後、お兄ちゃんの姿を見ていた次男の葛藤、そして三男の不登校。 「どうしてうちばかり」「どうしてうまくいかないんだ」と、暗闇の中で道が見えず、親としての恐怖とずっと戦っていました。

2. スイッチを隠し、命令し、ぶつかり合った迷走の日々

学校に行かない午前中、家で何時間もゲーム(Nintendo Switch)をしたり、YouTubeを見続けたりする子どもたち。

「このままでいいわけがない」 そう思った僕は、力づくでコントロールしようとしました。

ゲームやテレビのリモコンを隠したこともあります。 ルールを押し付け、大人の都合で怒鳴り、無理やり従わせようとしました。

でも、隠せば子どもは荒れ、怒鳴れば子どもを泣かせてしまう。 泣き顔を見るたびに「何をやっているんだろう」と猛烈な罪悪感と自己嫌悪に襲われました。

「どうしたらこの子たちのために正解を選べるんだろう?」 正解のない問いに頭を抱え、胸が張り裂けそうになる日々でした。

怒りに任せてぶつかってしまったあとは、自分の膨らんだ感情や罪悪感をどうにか消化するために、あえて「一人の時間」を作るようにしました。夜に1時間じっくり歩きながら自分の心を整えたり、一人になって頭を冷やしたり……そうやって自分自身のパンクしそうな気持ちをなんとか立て直す毎日でした。

3. 「やりきった」経験と、一人の人間としての対話

そんな泥沼の日々の中で、少しずつ気づかされたことがありました。

我が家の3人は一時期、ポケモンカードに猛烈にハマり、毎週末のように難波の街へカードを探しに行っていました。お金もかかるし、親としては「カードにこんなにお金をかけて…」と心配や葛藤もありました。

でも、自分が幼い頃にサッカーに全てを捧げていたように、「この子たちの『好き』の熱量を、親の都合で止めたくない」と腹をくくり、徹底的に付き合いました。 するとある日、長男が自分の中で「やりきった」と感じたのか、ピタッとカードを買うのをやめたんです。親に禁止されたからではなく、自分の意志で納得して引き際を決めた瞬間でした。

「子どもを一人の人間として信じて、対等に向き合うこと」

大人が「サッカーや読書は良くて、ゲームやカードはダメ」と決めつけるのではなく、なぜゲームをやめられないのか、どうすれば自分たちで時間を大切にできるのかを、子どもたちの目線に立って一緒に考える必要があるのだと痛感しました。

4. そして、リビングのホワイトボードへ

数々の失敗とぶつかり合いを経て、我が家ではリビングで「ホワイトボード」を囲んで家族会議を開くようになりました。

「ゲームをやりすぎるのは嫌だけど、どうすれば我慢できる?」 僕から一方的にルールを押し付けるのではなく、子どもたち自身の言葉をホワイトボードに書き出していきました。

すると、子どもたちの口から驚くようなアイデアが出てきたのです。 「我慢できたら、ご褒美のお小遣いがほしい!」 「スレタンハウスに行ってる時間はやりたくてもできないから、その分も数えてほしい」 「平日だけにしよう!」

「ゲームをやらない時間(1時間)=50円(その後、分かりやすい1時間60円/1分1円に変更)」というルールは、子どもたち自身が頭をひねって決めた作戦です。

1ヶ月頑張れば大金になるという目標に目を輝かせ、ホワイトボードを見ながら「今週はどうする?」と自分たちで考えています。

かつて場面緘黙で目が死んでいた長男が、自分の意見を堂々と言い、自分の時間をどう使うか考えている。 あの地獄のような朝の戦いから思えば、信じられないような光景です。

最後に:今でも我が家は「毎日を正解にしていく」途中です

こう書くと、なんだか綺麗に解決したように見えるかもしれません。 でも冒頭にも書いた通り、今でも全くうまく行かない日ばかりです。

決めたルールを守れなくて感情をコントロールできない日もあれば、またゲームのことで口論になる日もあります。 最初から正しい答えを知っている親なんていません。

でも、僕はそれでいいと思っています。 ぶつかり合った日も、失敗した日も、投げ出したくなった日も、全部逃げずに子どもと向き合った時間なら、後からいくらでも「正解」にしていけるからです。

もし今、お子さんの不登校やゲームとの付き合い方、日々の関わりに悩み、親としての恐怖に押しつぶされそうになっている方がいたら、どうか自分を責めないでください。

失敗して当たり前です。どうやっていいか分からなくて当たり前です。 スレタンハウスは、そんな親御さんが「自分だけじゃないんだ」「ここならありのままの悩みを出していいんだ」と思える場所でありたいと思っています。

いつでも、愚痴でも悩みでも話しに来てくださいね。 完璧じゃない親同士、泥臭く一緒に歩んでいきましょう。

株式会社SRETANHOUSE 代表取締役 小林 功基

背景画像 背景画像