スレタンハウスで行われた「小麦粉粘土あそび」。
手のひらいっぱいに広がる白い粘土、ふんわりとした小麦の香り、少し冷たいけど心地よい手触り…。
この粘土は、小麦粉・水・油というシンプルな材料でできていて、手でこねるごとに質感が変化していくのが最大の魅力。
見て、触って、匂って、動かして──まさに“五感”をフル活用した遊びです。

今回の活動では、食紅を使って色づけをしました。
真っ白な粘土に鮮やかな色を加えると、子どもたちの目がキラキラと輝き出します。
「ピンクがいいな!」「青と緑を混ぜてみたい!」
それぞれの思いやこだわりをもって色を選ぶ姿には、自分の感性を大切にする気持ちが表れていました。

手で粘土をこねたり、ちぎったり、丸めたり…。
その一つひとつの動きが、手指の巧緻性や感覚の発達を促してくれます。
しかも、粘土を混ぜ合わせると新しい色が誕生するという“魔法の瞬間”が。
「オレンジになった!」「紫になった!すごい!」と、驚きと歓声が飛び交いました。
色の変化にワクワクしながら、「もっとやってみたい!」という自然な意欲が育まれました。
手触りや温度、香りなどの“感触”に対する反応も豊かでした。
「冷たくて気持ちいい」「もちもちしてる〜」など、自分の言葉で感覚を表現する姿はとても印象的。
大人が想像する以上に、子どもたちは感覚に対して敏感で、自由な表現力を持っています。
この遊びは、そんな子どもたちの内なる世界を引き出すツールになってくれるのです。
そして何より、小麦粉粘土の魅力は“創造性”にあります。
色と形を自由につくれるこの粘土は、まるでキャンバスのよう。
「ハートをつくる!」「これはロケットだよ!」と、子どもたちがイメージを形にしていく様子は、まさに小さなアーティストたちの創作活動そのもの。
隣の友だちと「その色キレイだね」「どうやってつくったの?」と会話が広がる場面もあり、自然と協力や対話も生まれていました。

粘土をこねるという一連の動きは、感覚刺激だけでなく、情緒の安定にもつながります。
粘土の感触が心を落ち着かせてくれる効果もあり、活動後には「楽しかった〜」という満足げな表情が印象的でした。
さらに、小麦粉粘土あそびは家庭でも簡単に楽しめるのが嬉しいところ。
材料はすぐに揃うし、混ぜるだけでできるので、親子で取り組みやすいアクティビティです。
雨の日や暑すぎる日など、おうち時間を楽しく過ごしたいときにもぴったり。
お子さんの「やってみたい!」に寄り添うかたちで一緒に粘土をこねる時間は、何気ないようでいて、大切な親子の絆のひとときになることでしょう。
スレタンハウスでは、これからも「遊び」を通して、子どもたちの成長と発達を丁寧に支えていきたいと思います。
感覚を味わいながら、自分の思いを形にする楽しさ──それは、子どもたちにとってかけがえのない学びの時間です。
小麦粉粘土のような素朴で奥深いあそびが、これからもたくさんの笑顔と発見を生み出してくれますように。