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感覚統合って何?

感覚統合って何?


感覚統合ってなに?

~子どもの「感じる力」と「動く力」を育てる、スレタンハウスでの取り組み~

子育てをしていると、「うちの子、ちょっと落ち着きがないかも?」「どうしてこんなに音に敏感なんだろう…?」と、ふとした瞬間に不安や戸惑いを感じることがあるかもしれません。

そんな時に知っておいていただきたいのが、「感覚統合(かんかくとうごう)」という考え方です。

感覚統合とは、私たちの体が受け取ったさまざまな感覚の情報を、脳が整理し、うまく使う力のことを指します。目からの情報、耳からの音、手足の感覚、体のバランス…こうした感覚は、日常生活の中で常に使われていて、知らないうちに脳で「統合」されているのです。

たとえば、遊具で遊ぶときには、足の力加減を調整したり、ブランコで揺れるスピードに体を合わせたり、友達との距離を測って動いたりする必要があります。これはすべて、「感覚」と「運動」がうまく連携してこそできること。つまり、感覚統合の力がうまく働いているからこそ、楽しくスムーズに動けるのです

でも、この感覚の受け取り方やまとめ方には、子どもによって大きな個人差があります。
「すごく音に敏感」「体の動きがぎこちない」「服のタグが気になって集中できない」などは、本人の“感じ方”が少し特別なだけで、決して怠けていたり、わがままだったりするわけではありません。

そんな子どもたちが安心して自分らしく過ごしながら、感覚統合の力を育める場所
それが、私たち「スレタンハウス」の目指す放課後デイのかたちです。


◆ 五感をたっぷり使える「大型木製遊具」

スレタンハウスには、自然素材の大型木製遊具があります。すべり台、うんてい、ブランコなど、体を大きく動かすダイナミックな遊びが楽しめる空間です。

遊具遊びは、ただの「遊び」ではありません。子どもたちはこの中で、バランス感覚、力の加減、触覚、視覚など、五感すべてを使って学び取っています。とくに木のぬくもりに包まれた遊具は、安心感を与え、過敏な子どもにもやさしい刺激を届けてくれます。

ブランコに揺られながら「落ちないようにバランスをとる」、すべり台でスピードの感覚をつかむ、うんていで握力や腕の力を養う…
こうした経験が、脳と体をつなぐ「感覚統合力」の土台となるのです。


◆ 毎日ちがう楽しいプログラム「スレタンタイム」

室内では、毎日15分ほどの活動「スレタンタイム」を実施しています。
この時間は、感覚や運動をバランスよく育てることをねらいにしたプログラムに、子どもたちが楽しみながら取り組む時間です。

たとえば:

  • ケンケンパ:ジャンプして着地することで、バランスやリズム感を育てます。
  • ころころドッチボール:転がるボールをよけたり追いかけたりしながら、反応力や空間認知を鍛えます。
  • 風船バレー:やわらかい風船を目で追い、タイミングよく打ち返すことで、視覚と運動をつなぐ力(視覚運動協応)を伸ばします。

いずれの活動も、「楽しいから夢中になる」ことを第一に考えています。
がんばらせすぎず、失敗もOK。うまくいかない子にも「こうやったらできるかも?」と自然に気づける工夫をちりばめています。


◆ 視覚を育てる「大きなマーブルラン」でのビジョントレーニング

「目の使い方」も、感覚統合にはとても大切な要素です。
スレタンハウスには、大型の**マーブルラン(ビー玉コース)**があり、子どもたちはコロコロと転がるビー玉を夢中で追いかけています。

この遊びは、目で物を追う力(追従性眼球運動)や集中力を育てる「ビジョントレーニング」の一環です。
学習の中で文字を読む、黒板を見てノートに書き写すといった場面でも、この力は大きく影響します。

「遊んでいるだけ」に見えて、実は未来の学びの土台をつくる時間でもあるのです。


◆ 感じ方は一人ひとりちがっていい

子どもたちが見ている世界、感じている刺激は、大人の私たちとは違うことがあります。
「ちょっとした音がすごく大きく聞こえる」「手についた水が気になってしかたない」「体が動きすぎて止まらない」…
それは、その子なりの感覚のとらえ方、脳の反応の仕方があるということ。

私たちは、「なぜできないのか?」ではなく、「どんな感じ方をしているのか?」を大切にしながら、一人ひとりの子どもに寄り添っています。


◆ お母さん・ご家族の方へ

日々の育児の中で「これでいいのかな?」と不安になることは、どんなお母さんにもあると思います。
でも、子どもたちは確実に、自分のペースで育っていく力を持っています。

スレタンハウスでは、その力を信じ、遊びの中で自然に「感覚統合」を育てる工夫を重ねています。
どうか、「あれができない」「これも苦手」ではなく、「この子に合った育ち方がある」と、前向きに受け止めてもらえたらうれしいです。

いつでも、気になることがあれば遠慮なくご相談ください。
私たちは、お子さんの育ちを一緒に喜び合えるパートナーでありたいと願っています。

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